奇天烈大博覧会への出品に寄せて

地に足をつけたいと
思いがちなので、
定礎石に
足をつけました。

あと、壁がないので。

※石ではありません。

会社の取り組みと、私自身の活動そのものを作品として応募します。

この定礎石を送り出す理由
黄・橙・桃色に彩られた、手足のある《定礎石》の設置イメージ。定礎、2026年11月の文字がある。実物写真をもとに背景と設置イメージを編集。
《定礎石》/渡邉帆南美
実物写真をもとに背景・設置イメージを編集

「あなたの中のキテレツを呼び起こせ!」

起きています。

ずっと起きています。

逆に起きてない時間が欲しい。

むしろ、少し待ってほしいくらい。

私の頭の中では、まだ現実に存在しないものたちが、我先にと出番を待っています。

小説、壺、芸術祭、会社。様々な形で現れてきます。静かに順番を待つものは、あまりいません。

私は不器用で、自分のことをうまく説明できないことがあります。口から出るまでにもたついている間に、他人から見た私が先に完成している。

待ってください。

中には、まだこんなにいるんです。

そんな気持ちを幼少期から持ち続け、

自分以外にも他者の「記憶」にはユーモアがあり、それを現実に出して現実の側自体を「異世界」に転換する。

それを、「記憶異世界」と名付け、

「異世界芸術」が生まれました。

生活の身近なところに表現があれば、毎日はもっと楽しくなるはずだと、ずっと思っていました。

それなら、全部、形にして現実に置いてしまえ!少し乱暴なしかし、自由に生きられる挑戦です。

描いた絵を小説にしました。

小説に出てくる記憶の壺も、本当に作り始めました。

芸術祭を運営して、駅前に表現の場所を広げました。

AI人格とも競作します。画面の中だけでは手狭なので、日常の街まで物語を広げようとしています。

プロジェクトが増えます。

片づけると、また出てきます。

そこで、この妄想たちが現実で活動するための会社、「記憶異世界社」を作ろうとしています。

妄想ですが、手続きがあります。

現実なので、お金もかかります。

社会人経験の不足、具体的な壁はあります。

でも、問題は、ただそれだけです。

怖気付く時間はありません。

頭の中にある形にすべきものは

待ってくれません。

そして、会社の定礎石を作りました。

建物より先に、定礎石が来ました。

何故壁がないのに石があるのか。それも面白いなと思いました。順番については、どうでもいいんです。

しかもパネルです。

石ではありません。

2.5次元のような中途半端な状態を

表しています。やがて本当に石になるのです。

ですが、現実をみてください。

届いたら、パネルは思っていたより小さかった。

重厚な顔をしているのに、ひょいと持てます。

スタンドは少しはみ出し上を切りました。

ところが、どうでしょうか。

立たせてみたら、自立しました。

私は今も、会社を立ち上げる準備の途中です。

「会社を作ります」そう言うのも簡単ですが、

「そんなことは無理だろう」と無責任に言うのも簡単です。私にも、まだやり方のわからないことはあります。だから、作るたびに技術を覚えます。順番がばらばらでも、今できるところから現実にします。

これは、私が十数年のうち、

続けるために見つけたやり方です。

今回、奇天烈大博覧会には、会社の取り組みと、私自身の活動そのものを作品として応募します。

妄想を形にし、現実に置き、人と出会わせる。増え続けるプロジェクトも、会社を作ろうとする過程も、全部ひっくるめて、今も制作中の作品です。

活動全部は箱に入りませんので、
この定礎石を送り出します。

頭の中では、次のものが出番を待っています。

全てが揃ったとき、それは日常になり、
一人の記憶ではなく、大勢の記憶になります。

渡邉帆南美